見張り塔からずっと

見張り塔からずっと
重松 清
見張り塔からずっと

ゴミを漁る姿をよく見られるカラス。お腹を満たすためには手段を選ばない。でも漁るゴミがなかったら?共食いですね。この小説ではカラスになぞってマンションの住人たちを描いています。バブル絶頂時に新築のマンションを買った夫婦と他の住人。地価が上がることで心を満たしていた。しかし地価は下がり始める。満たされない気持ちは行き場を失い、新しく越してきた家族に降りかかる。お腹を満たすためには手段を選ばないカラスのように、住人たちはこの家族を餌食にする。このエサ、甘いが後味は良くありません。

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