笹生 陽子

文庫本きのう、火星に行った。
きのう、火星に行った。
単行本版も参照

主人公の拓馬は、ひねくれもの、へそ曲がり、澄まし屋、そんな形容が似合う6年生(やる気なし)。特技はサボる事というだけあって、面倒なことや、くたびれることが大嫌いだ。そんな拓馬はいつも上手く手抜きをしながら楽に過ごしてきたが、九月最後の水曜日、拓馬にとって最悪な面倒くさいことがたくさん起きる。連合体育大会の選手に推薦され、断る暇もなく決められてしまう。しかしその大会の参加をきっかけに、拓馬は少しずつ本気になることの愉快な感覚を思い出し始める。

文庫本ぼくらのサイテーの夏
ぼくらのサイテーの夏
単行本版も参照

6年生の夏、終業式の日、小学校でふざけて遊んでいるうちにぼくは階段から落っこちてしまう。おかげで片手にギプス、前歯も1本欠けてしまった。おまけに毎日学校のプール掃除までするハメに。そうして始まった夏休み。もう、誰が見てもサイテーの夏だ。しかしプール掃除をしているもう一人の変わった奴や、生活指導の先生に刺激されて、ぼくは少しずつこの夏を満喫していく。登場人物それぞれがうまく感化し合い、ぼくを中心に生活に変化が生まれる。硬直した悪い日常を溶かすチャンスが降りてくるのだ。ぼくは自分や家族に足りないものを埋めながら、自分を見据えていく。

文庫本楽園のつくりかた
楽園のつくりかた
単行本版も参照

「そんなことしたら予定が狂う。」人生設計通りに生活していた中学2年の優君。エリートコースを進むため日夜勉強に励んでいた。しかし、突然決まったド田舎への転校で計画が脆くも崩れていく。やることなすこと、ここでは都会での模範解答が通用しない。勉強より、お金よりもっと大切なことがあると突き付けられ戸惑ってしまう。トランプくらいしか楽しみのないこの村に優君はどう決着をつけるのか。登場人物それぞれの個性が上手く描写されていて楽しめます。