キッチン

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吉本 ばなな
キッチン

人の死が残していく、深い悲しみ。その悲しみをどうやって越えて行くかを描いています。焦らず、時間をかけてゆっくりと。会話や情景描写は気持ちを重点にして流れていくので、表現にその時々の気持ちが色付いています。そして驚いた時や嬉しい時、悲しい時などの表現も独特で、後から沁み込むような感覚が得られます。だから初めは合点の行かないことも、読むに連れ共感でき、物語の人物像が見えてきます。相手の気持ちを察し、重ねることで、疲れきって霞んだ現実に、救いの奇跡が暖かく吹き込んで来ます。

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