恩田 陸

文庫本ドミノ
ドミノ
単行本版も参照

様々に散りばめられたピースが意外な接点を持ちながら物語は進みます。それぞれの思惑が交錯し、思いもよらない展開に巻き込まれ、それが繋がっていきます。そのために皆、誰かが誰かを捜し、またその人が誰かを捜し、またまたその人を捜して行く、というような、明快で愉快な展開をします。また、登場人物は多いのですが、かなりの変わり者揃いで、誰だか忘れることもなく読み進められるところも好感が持てます。深く考えず軽い気持ちで読める小説です。

単行本ユージニア
ユージニア
→文庫本版未発売

突如起きた出来事と、謎のメッセージ。一体何が起きたのか、近づこうとすればするほど真実が隠れていく。つじつまや外から見た事実を超えたものがそこにはある。何かが頭の隅から離れない、忘れようとしてもそれができない。思い出せない。何もわからない。表現の一つ一つに重みがあり、顔をしかめずにはいられない作品です。